外出禁止令から半月後のサンディエゴの町の様子と我が家の暮らし
カリフォルニアでは外出禁止令が出てから半月ほどがたちました。
状況は落ち着くどころか悪化をたどる一方で、国が出している感染者数などを見ていると、外を出歩くことに恐怖すら感じるようになってきました。
あまり良いニュースではないので触れるかどうか迷っていましたが、自分の記録用にもと思い、本日はコロナウイルス関連のことを書こうと思います。
サンディエゴの町の様子
外出禁止令が出る前後には、サンディエゴにもこんなに人が住んでたの(;・∀・)!?と驚くほど、普段は必要が無いように思えていた広い駐車場もほぼ埋まり、店内も大阪の町を思い出すような人の多さでした。
ただ、現時点(2020年4月6日)では、外を走る車の数も一気に減りました。
普段であればお昼時で停められない駐車場もガラ空きです。
食料品店にはある程度の人を見かけますが、食料品以外のお店が密集しているモールでは、ひと気がほとんどありません。
閉まっているお店もとても多いです。
ほとんど毎日晴れているサンディエゴでは、普段からジョギングをしている人や、散歩をしている人、サイクリングを楽しむ人を多く見かけますが、今はほとんど見かけません。
見かけても、犬の散歩のために出ている人くらいです。
公園でフリスビーやボール遊びを楽しむ家族も、しばらく見かけていません。
また、アパート内では共用のジムやプール、ジャグジーやBBQコンロの使用が禁止となり、賑やかだった敷地内もとても静かです。
私達の家には洗濯機がついておらず、アパート内の共用洗濯機を使用するのですが、共用スペースに行くまでに、人とすれ違うこともほとんどなくなりました。
それぞれ人とかぶらない時間を探しているのか、洗濯場で誰かと鉢合わせることもなくなりました。
そんな状況なので、家の中にいるときに、外から子どもの笑い声が聞こえてくると、なんだかとてもホッとします。
陽気な隣人に会うこともなくなり、少し寂しいです。
皆、元気でいてほしいものです。
サンディエゴの現在のスーパー(食料品店)の様子
現在こちらでは日本でもよく聞くようになった『ソーシャル・ディスタンシング(他人との距離)』を、しっかりと空けるように徹底されています。
お店の至るところにこの様な紙が貼られています。
入店できる人数の制限もされており、1人出たら1人入店するという風にこちらも徹底されています。
このように、入店待ちに並ぶ間隔や、レジ待ちをする間隔もテープで示されています。
そして、入店時間ですが、通常の時間よりも1時間遅らせている店舗が多いです。
そのかわり、お年寄りの方や障害のある方は通常の時間に入店できるようになっています。
そのような配慮があるのは、本当に良い国だなぁと思います。
私の家の近くのwhole foods(主にオーガニック食品を扱っているお店)では、このように入店前にゴム手袋を配布していました。
客は手袋をつけて買い物をするため、直接手で商品に触れることがありません。
また、各店舗には入り口にスタッフを1~2名配置しており、入場規制以外にも、買い物カゴやカートを随時消毒してくれています。
普段であれば、買い物袋を持参するというのはごく当たり前のことなのですが、今は買い物袋にウイルスがついている可能性も考慮して、買い物袋持参を断り、お店の紙袋に無料で入れてくれるなど徹底している店舗もあります。
買い物袋を持参できる店舗では、各自で袋詰をするようになっています。
(普段は買い物袋を渡せば店員さんが入れてくれます。)
缶詰や長期保存のできる食べ物は相変わらず品薄状態が続いていますが、一時期の何もない状態に比べると随分商品が並ぶようになってきました。
こんな風に生鮮食品は普通に手に入る物が増えました。
現時点(2020年4月3日)では、じゃがいも・さつまいもなどは売り切れていましたが、葉物野菜や果物は充実していました。
パンやパスタなども充実してきております。
意外と米のほうは流通が遅いです。
相変わらず手に入らないのは、ティッシュ・トイレットペーパーなどの紙類とマスク、ハンドサニタイザーや消毒スプレーなど消毒のできる物です。
日本では、「デマですから!落ち着いて!トイレットペーパーはいくらでもありますから!!」と言って、店頭に素早く並んでいたようでしたが、アメリカでは本当に品薄なのか、半月たっても商品が並びません。
いつもはお店で買った商品や、テイクアウトしたコーヒーを持ってカフェタイムを楽しむ人や、本を読んだりする人も見かける賑やかなこの場所も、今は使用禁止となっていてなんだか寂しい様子です。
サンディエゴの病院の様子
私は持病があり、月に1回の血液検査が必要で病院にお世話になっています。
ただこの状況なので、病院へ行くかどうかしばらく悩んでおりました。
病院に確認をしたところ、血液検査はした方が良いとのことだったので、できる限りの備え(病院を出た後の着替えやアルコールスプレーなど)をして、予約した時間に病院へ行きました。
すると、私以外の患者さんは1人もいません。
他の患者と鉢合わせないように、予約時間をズラしているとのことでした。
血液検査をする時以外は、換気のために診察室の扉を常に開放した状態です。
普段であれば血液検査の前に、血圧や体温、体重やサチュレーションを測るのですが、今回はそれらを全て飛ばして血液検査のみ行われました。
検査時は「針を刺しますね。」といった最低限の言葉以外は話されません。
そして検査終了後に、診察室から外に出て2mほど距離をとってから、「最近体の具合はどうですか?」と言った問診をしてくれました。
こんなことになるなんて思わなかったわね。
次に会うときにはもっと笑えたら良いよね。
と、看護師さんも悲しそうな様子でした。
この対応を寂しく感じる方もいるのかもしれませんが、持病持ちの人からすれば、これだけ徹底した対応をとってもらえるというのは、安心だろうと思います。
普段はどれだけ風邪やインフルエンザが流行っていようと、絶対にマスクをつけないアメリカ人が、今は多くの方がマスクをつけています。
マスクだけではなく、手袋や布で顔全体を覆っている人もいます。
マスクも、どこで手に入れたの!?と驚くような見た目の空気清浄付きのマスク?(見た目がちょっとしたダースベイダーのようなガスマスク感)をつけている人も少なくありません。
それほど今、こちらは異常な様子になっています。
ただ私の住むサンディエゴでは、アジア人だからと差別を受けたり、殴りかかられたりといった被害には1度もあっていません。
むしろ陽気に接してくれる店員さんを見ると、『アジア人を相手にするのは怖いかもしれないのに、ありがとうございます。』という気持ちにすらなります。
日本に住む家族や友人からは心配の連絡を頂くことが多いですが、サンディエゴに住む方は皆、基本的には優しく親切に接してくれています。
ただ、アメリカの中でもアジア人というだけで差別的な扱いを受ける方もいたようです。
ここで1つ動画を紹介させてください。
こちらの方はニューヨークのハーレムという地区に住んでおられる方です。
不安になられるかもしれませんが、『日本の方に危機感をもってほしい』との思いで動画をあげられています。
よければご覧下さい。
私の住むカリフォルニアは、まだここまでの状況ではありません。
ニューヨークとは違い、普段から人とすれ違う機会も少ないほど人口密度が低い。
アメリカの中でも比較的早くから、外出禁止令やソーシャルディスタンシングを促したというのも理由かもしれません。
私も正直この動画を見るまでは、『カリフォルニアはニューヨークほど都会ではないしそこまで酷くはならないだろう』と、どこか楽観的な部分がありました。
ただ、カリフォルニアの感染者数もジワジワと着実に増加しているのが現実です。
外出禁止令が出ているとはいえ、近くの公園に散歩やランニング程度はOKとされていますので、少し前までは主人と早朝に近くの公園まで散歩に出かけていたのですが、今はそれも自粛しています。
アパート内では咳をしている人もチラホラいて、それだけでとても気になります。
持病を持つ人は、鬱症状になってもおかしくないだろうと思うほど、以前とは人々の様子が違ってきています。
どうか日本はアメリカまで酷くならないようにと心から祈っています。
外出禁止令が出た私たち夫婦の家の中での暮らし
さて、少し暗くなってしまいましたが、ここからはのんびりと私たち夫婦の家の中での暮らしのお話です。
主人の行っている研究室も、今は出入り禁止となっているため、半月ほどずっと毎日家で一緒に過ごしています。
主人は家で出来る仕事(論文を読んだり、パソコンを使って会議に参加するなど)をしながら、空いた時間で普段できないことを存分に楽しんでいる様子です。
読めなかった本や漫画(ジャンプアプリ)を読む。
調べ物をして、新しいことを勉強をする。
家で出来る筋トレをする。
家事をするなど。
家事に挑戦してくれるのは、妻としてとてもありがたく、嬉しいことです。
日本ではサラリーマンとして働いている主人は、平日は早朝から夜遅くまで(飲み会の日は午前様もしょっちゅう)帰ってこなかったので、このように長く一緒の時間を過ごすという経験は7年間で初めてのことです。
とても新鮮な気持ちです。
お昼ご飯を食べた後にお昼寝をしている寝顔を見ると、少しホッとします。
日本にいるときは家事にあまり興味を示さなかった主人が、私よりも綺麗にお皿を洗ってくれたり、片付けてくれる。
洗濯物が溜まったら「そろそろ洗濯物をしようか。」と声をかけてくれる。
料理をしていたら「手伝うことある?」とマメに声をかけてくれる。
朝起きたときと、夜寝る前にはお白湯を作ってくれる。
布団を敷いたり片付けたりするのも、自然と主人の仕事になっています。
頭があがりません。
最近の2人のブームは主人が作るこだわりの料理
そして最近のブームは、スパイスやハーブなどの香辛料から作るカレー作りです。
この様に量り売りで香辛料を買ってきて、それを配合して作ってくれるのですが、もう市販のルーには戻れない美味しさです。
私は大雑把で計りをほぼ使わない性格なのですが、主人がきっちりと計っている姿を見ると、普段は見ることができない研究をしているのときの横顔といった感じで面白いです。
スパイスには、抗菌作用(抗感染作用)のあるもの、抗酸化作用のあるものなど、薬用効果のある物が多くあります。
その中でも特に、薬用効果が高いターメリックやクミンなどをたっぷりと入れて頂くカレーは、美味しいだけではなく、この時期にもぴったりだと思います。
人と会うこともないので、普段は遠慮するにんにくもたっぷりと入れて、生姜やペッパーで体がとてもポカポカ温まります。
お手製のザワークラウトもたっぷりと添えて頂きました。
私が変にお野菜たっぷり入れて作るカレーよりも、主人がザックリと切った人参とたまねぎがメインのシンプルなカレーのほうが、何倍も美味しいというのが少し悔しいです。笑
おわりに
家にいる時間が長くなり、コロナのことでどうしても気が滅入ってしまうと、ちょっとしたことで言い合い(主に私だけ言っている感じですが。笑)になることもありますが、それでもすぐに話し合いができる時間があるという意味では、この時間に感謝して大切に過ごしたいと思います。
まだまだ終息する様子のないコロナで、家に閉じこもりがちですが、できる限り体を温めて、皆さんも無理をせずに過ごしてくださいね。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました^^
皆さんにとって今日も素敵な1日になりますように。