丁寧に生きることを考える

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今まで当たり前に感じていたことが当たり前じゃないかもしれないと、ふと思ったことについて学び綴ります。せっかく生まれた日本という国で、丁寧に生きていきたい。

農家に聞いた野菜くずで作る栄養たっぷり「ベジブロス」の効果と作り方

料理をする度に出る野菜くずたち。

昔は「安くて国産の野菜なら何でも良いや。」なんて気持ちで選んでいたからか、そのまま捨てたり、良くても掃除に使うくらいでした。

そんなある時、農家の方と話す機会があり、

野菜や果物は、皮にこそ栄養がたっぷり詰まっていてね、だからこそ、本当は捨てずに皮まで美味しく食べてほしい。それが1番身体が喜ぶ食べ方だから。

と聞いたのが、とても印象的でした。

農家の方が生き生きとしながら教えて下さったくず野菜の使い方。

今回はそのうちの1つ、お野菜くずで作る栄養たっぷりのお出汁「ベジブロス」について書いていこうと思います。

私がベジブロス作りに失敗したときのこと(苦くなった・土臭さが気になった・ベジブロスに向いていない野菜の皮を使った等)についても、対処法とあわせてご紹介します。

「ベジブロスを試したことあるけど、全然美味しくなかった~!!」なんて人も、もう一度チャレンジしてみませんか?

ぜひ最後まで読んでみて下さい^^

ベジブロスの効果「ファイトケミカル」とは?効率よく摂る方法について

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健康に良いと言われているファイトケミカル

「ファイト」が植物、「ケミカル」が成分を意味しています。

このファイトケミカルを簡単に説明すると、植物が自分を守るために作りだした成分(色素・ネバネバ・辛味・香りなど)のことです。

虫などの外敵から身を守るために、辛くなったり、強い香りを出すだけではなく、お野菜がカラフルなのにもちゃんと理由があります。

もちろんお洒落に見せるためではなく、太陽の紫外線による酸化と戦ったりするわけです。

このお野菜の持つ力を丸ごと頂くことによって、さまざまな病気のリスクを低下させたり、老化を防止すると期待されているようです。

ファイトケミカルは未だに確認出来ていないものもあり、1万種類以上あるのでは…と言われているほど、色んな成分があるようです。

ちなみにこれは、人の体内では生成できません。

 

効率よくファイトケミカルを摂る方法

このファイトケミカルは主にどこにあるのかというと、外側の葉や皮の部分、皮と身の間に多く含まれています。

「じゃあ、野菜を皮付きで食べたら良いの?」ということですが、もちろんそれでも良いようです。

ただ、ファイトケミカルは熱に強いという特徴があります

植物も生きるために必死で、そのためのファイトケミカルですから、それがちょっとやそっとじゃやられない様に、しっかりと細胞で守っているんですね。

なので、ファイトケミカルを効率良くとるためには、その細胞壁を壊して出してやれば良い

と、いうことです。

野菜の細胞壁を壊す方法は3つあります。

  1. じっくり時間をかけて加熱してやる
  2. ミキサーにかけたり、すり潰して粉砕してやる
  3. 冷凍する

じっくりコトコト加熱して作るベジブロスは、ファイトケミカルを摂るのにもってこいの調理法ということです。

くず野菜を使うので、節約になります。さらに!それだけではなく、野菜が持っている全ての力(栄養素)を丸ごと頂けるという、体が喜ぶお出汁なのです。

どうせ捨てるなら、使わなきゃ損!勿体ない~!^^

 

野菜くずで作るベジブロスの作り方(美味しく作るポイント)

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(この日はビーツの皮が少量入ることで、赤みがかったベジブロスになりました)

 材料

野菜くず  両手いっぱいにのるくらい(入れるだけ濃厚になる)

 水     1リットル~1.5リットル

 酒     小さじ1くらい

 

作り方

  1. 野菜のくずを洗って、土を落とす
  2. 材料を全て鍋に入れて沸騰させる
  3. 沸騰したら弱火~弱めの中火にしてそのまま30分ほど煮る
    ここで終了してもOK!もっと濃厚に出したい方は4の工程へ。

  4. 30分たったら粗熱をとる(指で触れる位の温さにする)
  5. 再度、強火にかけて10分煮る。
  6. 野菜くずをザルで濾す。

 

ベジブロスを美味しく作るポイント

①沸騰したら弱火~弱めの中火でコトコト煮てあげる

最初の頃は、「30分も待てない」と思って、強火でグラグラ煮出して時短を狙いましたが、そうすると、野菜の苦味やエグミが出やすくなってしまいました。

優しく真心込めて弱火でコトコト。

沸騰して弱火にさえすれば、あとはひたすら放置でOKです!

 

②灰汁はとらなくてOK

野菜くずから出る灰汁には、ファイトケミカルが含まれているので栄養たっぷりです。

気になる方(臭みやエグミ、色味など)は、取り除いても良いですが、あえて取り除く必要はありません。

 

③野菜くずは1度冷凍してあげる。

冷凍することによって野菜の繊維が壊れやすくなるので、美味しいお出汁+ファイトケミカルが出やすくなります。

私は料理のたびに野菜くずが出るので、このようにジップロックに入れて冷凍しています。

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パンパンですね。笑

ただ、集まれば集まるほど色んなお野菜のくずでお出汁がとれるので、とっても芳醇な美味しいお出汁ができますよ^^

 

④バランスよく色んなお野菜を入れる

私は今まで何度もベジブロスを作っていますが、色んな種類の野菜くずを入れたお出汁が1番芳醇で美味しかったです。

 

⑤野菜の臭みはお酒で消す。

材料のところにお酒と書きましたが、正直入れても入れなくても作れます。

私は野菜臭さが好きなので(忘れやすいし、面倒だし。←)酒は入れずに作っています。

「野菜のお出汁は野菜臭さが苦手で…。」と、匂いが苦手に感じたことがある方は、一度お酒を入れて作ってみてください。

 

⑥煮込むと苦味や臭みが出やすいお野菜は少量から試す

基本的にはどんな野菜でもベジブロスは作れます。

ただ、野菜の種類によっては苦味や臭みが出て好みが分かれます

基本的には、熱を加えると甘みが出るお野菜(人参、たまねぎ、大根など)は、癖もなく美味しく仕上がります。

逆に熱を加えても苦味や独特の匂い、えぐみが無くなりにくいお野菜だと、好みが分かれやすいかもしれません。

ピーマンや、ゴーヤ、セロリ、キャベツの芯、ブロッコリーの芯、ゴーヤのワタ・種は、少量から入れてみて、気にならないか確かめるのをおすすめします。

ちなみに私は今のところ、ゴーヤ以外は全て試したのですが、苦味や臭みが気になったことはありません。

味噌汁などに使うと、味噌の香りもありますし気にならなくなるのかもしれませんね。

 

⑦甘みのあるお野菜を多めに入れてあげる

玉ねぎの身に近い部分の皮や、きのこ類のいしずき、人参の皮・ヘタ、パプリカやトマト、かぼちゃの皮・ワタ・種、ビーツなど、甘いお野菜のくずを使ってやると、ほんのりお野菜の甘い香りがする、優しい口当たりのお出汁になります。

上のお出汁の画像にも載せましたが、ビーツは赤色の色素が強いので、少量でも入れるとお出汁の色に赤みがかかり、とても綺麗な色になります。

料理に合わせて色味を楽しむのも良いですよ^^

私は時々リンゴの皮も入れますが、違和感なく(あまり分からない)美味しく頂けます。

量を増やせばフルーティーになるのかな?

カレーにすりおろしリンゴを入れたら、その皮を使ってチキン+ベジブロスを作り、水の代わりに使って煮込んでやると、より一層風味の良いカレーに仕上がりますよ^^

 

⑧塩をお好みの量入れてみて。

ふだん顆粒出汁など市販のお出汁を使われている方が初めてこのベジブロスを飲んだら、「味が薄い!味が無い!」と感じるかもしれません。

私も初めて手作りのベジブロスを飲ませてもらったときは、そう感じました。

その理由は、市販のお出汁には多くの場合「保存料・化学調味料無添加」と謳っている商品でも、お塩だけではなく、酵母エキス・たんぱく加水分解物などの旨味成分が含まれていて、それを美味しいと舌や脳が覚えてしまっているから、自然の味では物足りなく感じてしまうようです。

なので、まず最初はお塩をお好みの量入れてみて、体や舌にお野菜の味を思い出させてあげてみてください。

 

ベジブロスの保存方法

保存方法

お出汁をよく冷ましたら蓋付きの容器に入れて冷蔵庫か冷凍庫へ保存する。

【容器】

冷蔵庫だと、お茶を入れるピッチャーなどに入れておくと、料理のときに楽に使いやすいです。

タッパーや、ジップロック、無い方は深めのお椀に入れてサランラップをかけておくだけでもOK!

冷凍庫で保存するときは、冷凍しても大丈夫な入れ物に入れてください。

(例えば、ペットボトルに並々入れて冷凍すると、稀にお出汁が凍る過程で膨張して、爆発してしまうことがあります。)

製氷機で凍らしてから、ジップロックに移し変えて保存しておくと使いやすくて便利ですよ^^

 

保存期間

冷蔵庫だと2~3日。

冷凍庫だと1ヶ月ほど。

 

冷凍したベジブロスの解凍方法

使う前日に、冷蔵庫に入れておくと翌日には解凍されています。

急いで使いたいときは、ジップロックなどの袋に入れて流水で解凍しても良いですし、私は面倒な場合、そのまま鍋に入れて火にかけています。

電子レンジを使う方は、お出汁の様子を見ながら少しずつ解凍しても良いと思います。

 

お野菜出汁をアレンジ。放置するだけで絶品「チキン+ベジブロス」!

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(鶏のお出汁と油分が程よく出た濃厚なお出汁が出来ました。ベジブロスのおかげで臭みも気にならない。)

我が家では、鶏手羽元などの骨付きチキンを食べるときに出る骨を、お出汁用に冷凍して保存しています。 

冷凍する前に、お出汁が出やすいように骨を棒で叩いて少し砕いておくと楽です。

つい先日、その骨がたまってきたので、チキン+ベジブロスを作ることにしました。

 

チキン+ベジブロスの材料と工程

 材料

鶏ガラ   手羽元6本分くらい(入れるだけ濃厚になる)

野菜くず  両手いっぱいにのるくらい(入れるだけ濃厚になる)

 水     3.5リットル~4リットル(大体でOK)

生姜の皮  なければすりおろし生姜を少し(鶏ガラの臭み消しです)

 酒     小さじ1(ベジブロスの匂いが気にならない人は不要)

 

工程

(私の場合)朝起きてすぐに

おでん用の大きな鍋(4リットルくらい入る)に水と鶏ガラを入れる

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冷凍していたお野菜のくずと生姜の皮(もしくはすりおろし生姜)入れて、強火にかける。

沸騰するまでの間、歯磨きしたり身支度を整えました。

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沸騰したら火を弱火~弱めの中火にして灰汁をとったら30分~40分ほど放置。

鶏ガラから灰汁が出るので、お玉ですくって捨てます。(ベジブロスの灰汁には栄養があるから勿体ないけど。)

灰汁を取りのぞけたら、後は放置でOKです。

私はこの間に、ベランダの掃き掃除や洗面所掃除、冷蔵庫の整理整頓などの、小さなお掃除を済ませてしまいました。

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お出汁を濾す(こす)

私は普段下の画像のように用意しています。

一気に濾そうと思うとザルが溢れてしまうので、先にトングなどで取り除けるガラは、お出汁を切って、奥のお皿に避けてしまいます。

ある程度ガラが少なくなったら後は一気にザルで濾します。

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1度濾した物がこちらです(下の画像)

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取り除ききれなかった灰汁が少しまわりに残っていますが、鶏の油分がほどよく出た濃厚な色をした良い香りのお出汁になっています。

普段ならこれで使ってしまうのですが、今回はフォーを作ろうと思ったので、透き通ったお出汁にするため、もう1度濾します。

(ブログに載せるためだけに綺麗にしておこうと思った訳ではありません。←笑)

 

ガーゼや布巾などでお出汁をもう一度濾して完成

ザルの上に布巾などをかぶせるだけでOKです。濾せればなんでも大丈夫!

出来た物がこちら(下の画像)。

「綺麗…。」と、自分で驚きました。笑

お塩をお好みで入れて、お楽しみください。

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せっかくなので、出来たてのお出汁を楽しもうと主人と2人で乾杯しました^^

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この後は、このお出汁にお塩やナンプラーを好きな量入れて、茹でた米粉麺を入れた簡単なフォーを作って食べたましたが、「お店の味!絶品!!」と、主人と2人で大絶賛でした^^

鶏ガラスープは、市販の中華だしの素を使うと、お湯に溶かすだけで一瞬で出来るスープですが、自分で作ってもそれほど手間がかかりません。

強いて手間をあげるとすれば、『灰汁をとって、濾す』という工程でしょうか。

そのひと手間をかけるだけで、とびきり美味しくて、なんといっても体に優しいお出汁ができるので、私はおすすめです。

面倒くさがりの私でも、続けられる手作りお出汁の作り方でした◎

 

さいごに

今回は農家さんに教えてもらった、美味しくて栄養たっぷりのベジブロスの効果と作り方についてでした。

普段は捨てられてしまう野菜くず達が、煮てやるだけで栄養たっぷりのお出汁になるというのは、とても魅力的で、美味しくできたときの感動は大きいです。

また、野菜くずを使って調理するようになると、「1つ1つの食材を、より丁寧に扱いたい。」と思う気持ちも強くなります。

丁寧に手間をかけて作った料理はやっぱり美味しくて、心も健康になる気がします。

そして何より、『旨味』『お出汁』というのは、日本が世界に誇れる文化です。

「ねえ、日本のお出汁って味が濃いわけでも無いのにどうしてあんなに美味しいの?」

「どうやって日本人はお出汁を作っているの?」と外国人に聞かれたとき、

「あ、顆粒出汁をお湯で溶くと誰でも作れるよ。」

「旨味の成分がえ~っと…」

じゃなくて、丁寧に説明できるような、日本の食文化を誇れるひとりでありたいと思います。

今回はベジブロスでしたが、他のお出汁についてもいつか書けたら良いなと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます^^

今日も皆さんにとって素敵な1日になりますように◎

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