あなたは人にありがとうと感謝の気持ちを伝えることができますか。
私は恥ずかしいですが、数年前まで人に対して、ありがとうやごめんなさいが言えませんでした。
それだけではなく、人の前で笑うことが苦手でした。
さらに写真を撮られることが大嫌いで、思い出作りのためにと、カメラを向けてくれた人を睨んだり、無表情になってカチカチに固まってしまうような人間でした。
たった数年前の話ですが、「それ、本当に私だったのかな。」と、今では笑い話になっていますが、意識してからここまでくるのはとても早かったように思います。
今日はそんな数年前の私を大きく変えてくれた、プラス言葉について書いていこうと思います。
それでは今日も元気にいってみよ~う!
- 私のプラスのポケットを貯めてくれた忘れられない人のこと
- 越えられないスマイル0円の壁
- 笑顔が素敵なプラス言葉の使い手に出会う
- マイナス言葉を吐く前にプラス言葉に変換する練習を積む
- スマイル0円へのリベンジ。感情を言葉で表現してみる
- プラス言葉を使い続けた私は、思考や行動までも変わって別人になった
- おわりに
私のプラスのポケットを貯めてくれた忘れられない人のこと
プラスのポケットって何?
という方は、まずこちらの記事をごらんください。
watanabejanakutewatabedesu.hatenablog.com
私は今でこそ周りの環境に恵まれていて、のんびり幸せで平和な毎日を送っていますが、幼い頃は違いました。
家庭環境が劣悪で常にササクレた感情をもち、汚い言葉を平気で使って人を傷つけていました。
友達から嫌われるのはもちろん、学校ではイジメにあうことも多かったです。
アダルトチルドレンだと後に分かりましたが、本当に子どもらしさの無い、あまり笑わない子どもでした。
そんな幼い頃の私に、親切にしてくれた忘れられない人がいます。
小学校からの帰り道のことでした。
その日は強い雨が降っていて、傘を持っていなかった私はずぶ濡れになって歩いていました。
すると自転車に乗ったおばさんが私を通りすぎてすぐに止まり、「あんたずぶ濡れやんか!この傘使い!」といって、自分が使っていた傘を私の手に握らせてきました。
私は「いや、いいです!大丈夫です。」と遠慮して断りましたが、「風邪ひいたらあかんやろ?寒かったなぁ。かわいそうにな。タオルいる?」と、心配そうに私の体を気遣う言葉をかけてくれました。
私のことを全然知らない人なのに…と、親切にしてくれることに戸惑いながらも嬉しかったです。
それでも私は「でも、この傘(借りても)返せないし…。」と、知らない人への傘の返し方が分からず言いました。
するとおばさんは、「そんなんええよ!返さんで良い!そのかわり、次はあなたがこの傘を誰か困ってる人に貸してあげて?それやったら良いやろ?」と、笑顔で言いました。
この言葉はとても自然に傘を受け取ろうという気持ちにしてくれました。
あの…ありがとうございます。
とても小さな声で言いましたが、土砂降りの中届いていたかは分かりません。
おばさんは私のかわりに雨にずぶ濡れになりながら、自転車に乗って去っていきました。
このとき私は、おばさんへの感謝の気持ちと、『私も絶対にこのおばさんの傘で困ってる誰かを助けられるようになりたい。私も誰かにこうやって親切にできるようになりたい。』と、強く思うようになりました。
それから私は毎日、その傘を誰かに渡す日まで、自分の傘とおばさんの傘の2つを持って登校するようになりました。
それからというもの、私はとても素直な良い子になり、お礼も言えるように……
なんてすぐに変われる訳もなく、その後もササクレたり、うまくいかなくて悩んだり、誰かを妬んだりもしましたが、私が変わろうと思った最初のきっかけは、このときのおばさんがくれたのだと思います。
大学に入り、プラス言葉やプラス行動について学んだときに、すぐにこの時のおばさんのことを思い浮かべました。
あのときおばさんの親切な心遣いに、『当時の私のプラスのポケットは感謝の気持ちや嬉しさの感情で溢れていたんだろうなぁ…』と、思います。
越えられないスマイル0円の壁
高校生になった私は、あのスマイル0円で有名なマクドナルドでアルバイトを始めます。
笑顔も苦手で挨拶も出来ない私でしたが、まだ救いだったのは、昔から接客業への憧れがあったことです。
仕事と割り切れるときには、スタッフへの感謝の言葉や、お客様にも自然に笑顔を向けることができました。
ただ、茶化されたり、プライベートな空間になると一気に元の私に戻ります。
1番苦手だったのは、部活帰りの同級生から何度も注文されるスマイル0円です。
「あと、スマイル1つお願いしま~す!(・▽・)ニヤニヤ」
「俺も俺も!スマイル0円よろしく!」
私の笑顔は凍りつきました。
そして一言「ありがとうございました。」と冷たく言い放ち、お帰りを願いました。
それを見かねた店長に、何度も裏に呼ばれては厳しく叱られました。
笑顔の練習をするためにと、スタッフルームへ呼ばれては、何度も店長の携帯電話のカメラを向けられて笑顔を作らされます。
「なんでそんなに笑えないかな?君、接客向いてないんじゃない?」
「笑うぐらい何が難しいの!誰でもできることだよ!!」と、心底呆れられました。
ただニコッと笑えば良いのに、どうして笑えなかったのか。
自分の笑顔に自信がないし、自分の顔が写真に残るのも嫌だったし、さらにその写真を見た誰かにバカにされるかもしれないと思い怖かったです。
それに、『どうしておじさん(店長)に向けて笑わないといけないのか。どうしてスマイル0円なんてあるのか。』そんな気持ちでいた私は、スマイル0円の壁をなかなか乗り越えられませんでした。
笑顔が素敵なプラス言葉の使い手に出会う
大学の見学で、ある一人の女の子と出会います。
黒髪、清楚で真面目そうな、そして素朴な女の子でした。
隣の席に座ったとき、「初めまして^^私は聖子です。なんて呼べば良いですか?わぁ~キラキラしてて綺麗な爪。」
私を見てすぐに満面の笑みで自己紹介をしてくれて、なんのためらいもなく私の褒められるところを見つけてすぐに褒める。
それはそれは眩しくて、なんて可愛らしい人なんだと衝撃を受けました。
私はというと、流行りに遅れないように慣れないエクステンション(付け毛)をつけたり、バレないように髪を内側だけ染めてみたり、その爪じゃトイレでお尻拭くのも大変だろう…という長さの付け爪をつけたりと、必死に着飾っていました。
中途半端なギャルです。
今思えば、自分の自信の無さをカバーしようと必死に飾りでごまかしていたのだと思います。
おまけに「出来る女」風と勘違いをした無駄に細く吊り上げた眉毛で、睨むようにしか聖子ちゃんを見れず、気の利いた言葉ひとつ返せませんでした。
それでも、「ねぇ、入学したら同じクラスになれたら良いね^^!」と、聖子ちゃんは嬉しそうに言ってくれるので、私はとても情けない気持ちになりました。
世の中にはこんなに笑顔が素敵な出来た人間がいるのか…。
私もこんなに素敵な笑顔で笑える人だったら良かったのに…。
こんな子と友達になれたら絶対に幸せなのに…!!
後にこの聖子ちゃんとはクラスメイトになりますが、私の変化に1番驚いたのもこの聖子ちゃんです。
マイナス言葉を吐く前にプラス言葉に変換する練習を積む
このままではいけない。私は変わりたい。
人に優しい人になりたいし、人に笑顔を向けられるようになりたい。
聖子ちゃんみたいな人になりたい。
と思いましたが、なかなか人間、今までの習慣や性格を突然変えるというのは難しいものです。
とにかく日頃から汚い日本語をつかっていたので、最初は言葉遣いから変えようと思いました。
とはいえ、普段から乱暴な言葉遣いに慣れている場所であればあるほど、その人達の前で丁寧な言葉をつかうなんて今更気恥ずかしいものです。
周りの人にも『頭でも打ったのかな…(;´Д`)気持ち悪い』なんて思われるかも…と余計なことを考えてしまいます。
でも本当は、周りの皆にいつも「ありがとう」や「ごめんなさい」を言いたい。
だけど恥ずかしくてどうしても言えない。
恥ずかしい?お礼も言えない方が恥ずかしいよ?と、思いますよね。
汚い言葉は平気なのに…。
周りにも私はそのキャラ(汚い言葉を使う人)で定着しているだろうし…と、自分のキャラを自分で決めつけていました。
そんな私がまず最初に試みたのは、マイナス言葉を吐く前に頭の中でプラス言葉へ変換する練習でした。
例えば、
「あ~あ、今日は1日ずっと立ちっぱなしでダルかった~(しんどかった)お客さんも多いし仕事もミスる(ミスする)し散々。疲れた~。」というマイナスだらけの言葉を、頭の中ではこう変換します。
「今日は沢山お客さんが来てくれたな~。大変だったけどやりがいのある1日だった。仕事も失敗してしまったけど、先輩がすぐにフォローをしてくれたおかげで、お客さんを待たせることも無かったし、先輩への感謝を次の仕事で活かそう。」
そんな風にプラス言葉へ変えていきます。
次は、それを口に出す勇気はまだ無かったので、ブログに書いてみました。(今ならTwitterやFacebookなど色々ありますね。)
知っている人に見られていると、恥ずかしくなったり変に意識してしまうので、身近な人には誰にも教えず、今までの自分を知らない人たちに向けて、文章を書くようにしました。
私の書いたプラスの言葉や文章はまるで別人でしたが、私はそんな文章の中の私をどんどん好きになっていきました。
理想の自分を言葉にのせていきます。
そうするうちに、『今日はブログにどんな良いことが書けるかな~^^』と、身近にあった嬉しいことや、感動したこと、感謝したことなど、今まで見えていなかった周りにある素敵なことを見落とさないようになっていきました。
小さな小さな変化でしたが、毎日のようにブログに、「ありがとうございます」とか「感謝の気持ちでいっぱいです」と書いているうちに、自然と普段の生活でも友達に対してありがとうが言えるようになっていきました。
周りの友達はそんな私に引くどころか、「最近変わったね。(性格が)丸くなった。」と、言ってくれるようになりました。
スマイル0円へのリベンジ。感情を言葉で表現してみる
「最近変わったね」を、良い意味で言われるようになると気持ちもドンドンのってきます。
そして私はあの1度会っただけの聖子ちゃんを思い出して、鏡に向かって微笑んでみます。
今まで自分の顔が好きになれずに鏡なんて極力見ないようにしていたけど、聖子ちゃんは自然な目の細さで笑ってたな~。
笑ったとき、大きく開く口にこっちまでつられそうになったな~。
なんて思い出しながら、マクドナルドの接客用語を鏡に向かって発声します。
ありがとうございました^o^
またお越しくださいませ^o^など。
時間があれば練習していました。
もちろん家族が家にいるときは恥ずかしいので口パクで練習です。
そして心の準備が整った私は、店長に自分から切り出します。
「すみません店長。今、お時間ありますか。笑顔を見て頂きたいです。」
スタッフルームに入るなり、「お願いします!!!」と精一杯の笑みを向けると、
突然のことに店長は笑い転げて、「やればできるやんか。接客中もできてるよ。ちゃんと見てるからな。」そう言って、何度も何度も褒めてくれました。
「店長、ありがとうございます!」
その後に、「嬉しいです。」と初めて喜びの感情を言葉で表現してみました。
スマイル0円、やってやるぞ!!
まぁ。そう意気込んだときに限ってそのオーダーは入らないのですが。笑
プラス言葉を使い続けた私は、思考や行動までも変わって別人になった
このように、本当に少しずつでしたが、プラス言葉を使うようになってから、行動も変わっていきました。
その行動が当たり前になってくると、それが習慣になり、考え方や価値観も少しずつ変わっていきます。
大学で聖子ちゃんと同じクラスになったばかりのときは、まだ少しギャル要素が抜けていませんでしたが、3年ほどすると「私も髪の毛を染めた時期があったよ。」というと、周りに驚かれるほどになっていきました。
「性格だって本当に変わったよね」と、聖子ちゃんも楽しそうに言ってきます。
それからあれだけ苦手だった写真も、聖子ちゃんや周りのクラスメイトのおかげで抵抗がなくなりました。
5年はかかりましたが、自然に笑えるようにもなりました。
今の主人とお付き合いをする頃には、写真が苦手であまり撮りたくないと言っていた主人に「思い出にいっぱい写真撮ろうよ~^o^」と、私が誘う側になっていたほど写真が大好きになりました。
そして接客業ですが、マクドナルドに10年働かせてもらったおかげもあり、どこに働きに出ても、明るくて、笑顔が良くて、接客のプロだと評価してもらえるようになりました。
言葉といえば、『イエスマン~「YES」は人生のパスワード~』という、有名な映画があるのをご存知でしょうか。
これは、映画『マスク』でおなじみのジム・キャリーが主演をつとめるコメディドラマですが、人は何歳からでも変わることができると思える、とてもおすすめの映画です。
いつも口癖は「ノー」と否定的な言葉ばかり言う、人生も後ろ向きな男カール(ジム・キャリー)が、とあるキッカケで全てに「イエス」と答えていくことになります。
すると、身の回りのありとあらゆることに変化が起こります。
最初は不本意だった「イエス」も、心から「イエス」と言えるようになったとき、彼の心は、環境は、どのように変化していくのでしょうか。
もちろん良い方向に進んでいきますが、笑いあり、感動ありの素敵な映画です。
プラス言葉で変わりたい。でもちょっとその前に背中を押してほしい。
そんな人は是非一度これを見てみてください^^!
おわりに
恥ずかしい思い出ですが、ありがとうすら言えなかった私を変えてくれたプラス言葉についてのお話でした。
少しずつの変化は、時間をかけてとても大きな変化へと確実に繋がります。
もしも今の自分をなかなか好きになれない人がいるなら、ぜひ一度プラス言葉を試してみてください。
そしてもうひとつ、私は保育士・幼稚園教諭としての資格を取得しましたが、その中で子どもに向けたプラス言葉を使う素敵な教育をされている先生の本に出会いました。
プラスの言葉について勉強しているときに出会った本なのですが、その先生は子どもたちに向けてほめ言葉のシャワーを実践されています。
有名な方なのでご存知の方もいるかもしれませんね。
学級崩壊をしてしまったクラスへ行き、子どもたちと向き合います。
先生のほめ言葉のシャワーに、子どもたちは次第に自分への自信をもち、友達の良いところを探せるようになっていきます。
先生から、そして友達からの言葉に喜びで涙を流す子どもたち。
先生は、子どもたちをどんなときも信じ、大切に想い、伸びるところをとことん伸ばしていきます。
教室という学びの場で、みるみる子どもたちが心を成長させていく姿には、とても感動させられます。
子どもも大人も関係ない。
誰だって人に認められること、褒められることって嬉しいことです。
そしてそれはとても大きな力になります。
また、人に贈るプラス言葉はいつか自分を認める力となって返ってきます。
だから惜しまずに、どんどん他人にプラス言葉を贈れるような人に私はなりたいです。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます^^
皆様にとって今日も素敵な1日になりますように!!